2020年5月9日:5月を追記
2月6日に新型コロナウイルスの影響によるニンテンドースイッチ本体の生産/出荷の遅延が発表されて以降、定価を下回るニンテンドースイッチ本体をほとんど見かけることがなくなりました。
平素は、弊社製品をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
現在発生している新型コロナウイルス感染症の影響により、日本国内市場向けとして中国で生産しているNintendo Switch 本体およびJoy-Conなどの周辺機器等につきまして、生産および出荷の遅延が避けられない見通しとなりました。同様に現在品薄状態にある『リングフィット アドベンチャー』も、出荷が遅延する見込みです。
お客様には、ご迷惑をおかけし大変申し訳ございません。新型コロナウイルス感染症の影響を注視しつつ、少しでも早く製品をお届けできるよう取り組んでまいりますので、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
任天堂 – 新型コロナウイルス感染症による、 Nintendo Switchなどの生産および出荷への影響について(お詫び)
生産/出荷の遅延発表前後の日本におけるニンテンドースイッチ及び、ニンテンドースイッチLiteの販売数を比較したグラフをアナリストのDaniel Ahmad氏がツイートしています。
Impact of COVID-19 on Nintendo Switch sales in Japan.
– Nintendo announced production and shipment delays for Japan on Feb 6th.
– Spike in Original Switch sales quickly depleted stock.
– Switch Lite received a boost as OG Switch had low supply.
– Sales trend down overall. pic.twitter.com/zDM4AX5mNo— Daniel Ahmad (@ZhugeEX) March 12, 2020
このグラフを使って、新型コロナウイルスによるニンテンドースイッチへの影響を見ていきます。
2月
延期発表初週
2月6日に本体の生産/集荷の遅延が発表された後、オリジナル版ニンテンドースイッチの売り上げが伸びています。
生産/集荷遅延発表後、品切れを恐れた駆け込み需要が高まったようです。
二週目
次の週にはオリジナル版の販売数が大幅に減少しており、在庫不足の状態になっていることがわかります。
一方、ニンテンドースイッチLiteの販売数は急激に増加。
オリジナル版ニンテンドースイッチの在庫がなくなったため、代わりにニンテンドースイッチLiteを購入するユーザーが増えたと考えられます。
三週目以降
オリジナル版の在庫はまだ十分に供給されておらず、三週目以降もLiteのほうがオリジナル版よりも販売数が多くなっています。
2020年3月12日19時現在、ニンテンドースイッチLiteはまだ在庫が十分にあるようで、Amazon.co.jpでも定価以下で販売されています。
3月
あつまれどうぶつの森発売
あつまれどうぶつの森の発売週にオリジナル版スイッチ、スイッチLiteともに売り上げを大きく伸ばしました。
工場での増産の効果でしょうか、129,473台ものオリジナル版スイッチが販売されました。あつまれどうぶつの森発売に合わせて、品薄状態だったオリジナル版スイッチをある程度の数供給できたようです。ただ、スイッチLiteはその2倍の263,103台売れていること、オリジナル版スイッチが品薄になる以前はLiteよりもオリジナル版のほうが売れていたことから、需要を満たすほどのオリジナル版スイッチの生産はまだまだできておらず、仕方なくスイッチLiteを買ったという方も多くいたようです。
2月に中国の生産工場での生産/出荷を停止したため、日本へのオリジナル版ニンテンドースイッチの供給を十分にできていない状態が続いていましたが、現在は中国での生産が再開されています。また、中国国外での生産も増やしていることから、オリジナル版ニンテンドースイッチの品薄状態は徐々に解消されると考えられます。
Impact on Japan was fairly immediate whilst impact on the US and some other countries took a bit longer to materialise.
Impact isn't too significant due to console sales seasonality + China factories beginning to ramp up production again + moving more production outside China.
— Daniel Ahmad (@ZhugeEX) March 12, 2020
4月
ニンテンドースイッチ一時出荷停止
2020年4月8日、任天堂はニンテンドースイッチの国内出荷を一時的に停止。
任天堂が7日までに主力ゲーム機「ニンテンドースイッチ」などの国内出荷を一時的に停止したことが分かった。再開は未定。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて生産に遅れが出ている。一方で外出自粛要請を受けた”巣ごもり”需要が膨らみ、供給が間に合わないためだ。在庫がある欧米市場では出荷を続けるという。
日本経済新聞 – 任天堂、スイッチ国内出荷を一時停止 再開は未定
日本経済新聞のニュース記事を見る限りでは「再開は未定」となっており、出荷停止が長期化しそうな感じに見えます。しかし、任天堂の公式ツイッターでのお知らせを見てみると、一週間分の出荷を停止しただけであることがわかります。
[お知らせ]Nintendo Switch本体(「あつまれ どうぶつの森 本体セット」含む)ならびにNintendo Switch Lite本体は、ご予約分を除き今週の出荷はございません。来週以降の出荷予定については改めてお知らせいたします。
— 任天堂株式会社 (@Nintendo) April 7, 2020
ニンテンドースイッチ出荷再開
2020年4月14日、ニンテンドースイッチの出荷が再開。今後も継続的に出荷とのことなので、供給不足は解消されそうです。
[お知らせ]Nintendo Switch・Nintendo Switch Lite本体は今週およびその後も出荷する予定です。また、「あつまれ どうぶつの森 本体セット」は、4月下旬頃の出荷を予定しています。多くはECサイトや販売店において、オンラインで販売される予定です。くわしくは各販売店にご確認ください。
— 任天堂株式会社 (@Nintendo) April 14, 2020
5月
2020年3月期任天堂質疑応答によると、新型コロナウイルスの影響により、ニンテンドースイッチに使われている一部部品の調達ができていないことから、思うような生産数を維持できていない状況です。ただ、2月に落ち込んだ生産数は3月以降、徐々に増えているという。
古川社長:前期は、新型コロナウイルス感染症の影響で、2 月に中国で工場の操業等が一旦停止したことによって、主に国内向け Nintendo Switch ハードの出荷が遅延しましたが、業績全体に対する影響は軽微でした。生産状況は 3 月以降徐々に回復していますが、一方で、3 月後半から 4 月にかけて、新型コロナウイルス感染症の影響が世界各地に広がったことにより、一部の部品 について十分に調達ができていないものがあります。この影響で、現時点では私たちが実際に 生産したいと思っている数量すべてを生産できているという状況ではありません。
任天堂 – 2020年3月期 質疑応答
生産の完全復活は夏ごろ
新型コロナウイルスによる生産への影響が長期化しなければ、夏ごろには販売計画に沿った生産が可能になるとのことです。
古川社長:徐々に改善の兆しが見えていますので、新型コロナウイルス感染症による生産への影響は夏頃には ある程度収まり、通期では当期の販売計画に沿った数量の生産が可能になるという前提にしています。仮に影響が長期化、深刻化して部品の調達や生産に再び影響が及べば、現在の業績予想を満たす数量を生産できない可能性もあります。
任天堂 – 2020年3月期 質疑応答
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